地域別最低賃金の引き上げについて
令和3年7月16日、厚生労働大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会は、今年度の各都道府県の地域別最低賃金額の引き上げ幅の目安を全国平均で28円とする旨の答申の取りまとめ公表しました。これは、引き上げ率に換算すると3.1%であり、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額となります。
現在、この目安の答申を受け、各都道府県の労働局長の諮問機関である地方最低賃金審議会においても、各地域の事情等も考慮した最低賃金額の引き上げに関する審議・答申などが行われており、この答申の結果を踏まえた各都道府県の労働局長の決定がなされた場合には、地域別最低賃金の改定の効果が生じます(最低賃金法第10条第1項参照)。
使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対しては、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならず(最低賃金法第4条第1項)、これに違反した場合には50万円以下の罰金という刑罰が科されるおそれもございます(最低賃金法第40条)。
引き上げ後の最低賃金額の適用は例年10月頃となっております。
経営者の皆様におかれましては、就業規則、給与規程等の定めに十分にご留意下さい。
参考:厚生労働省 報道発表資料(令和3年度地域別最低賃金額改定の目安について (mhlw.go.jp))
≪弁護士 山口 源樹≫