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産業競争力強化法等の一部の改正

産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律が、令和3年6月9日に成立し、令和3年6月16日に公布されました。

新型コロナウィルスの感染拡大を受け、「新たな日常」への対応を求められる中で、「新たな日常」に向けた取り組みを先取りし、長期視点に立った企業の変革を後押しするために、同法律が成立しました。同法律の内容は、①「グリーン社会」への転換、②「デジタル化」、③「新たな日常」に向けた事業再構築、④中小企業の足腰の強化、⑤「新たな日常」に向けた事業環境の整備となります。今回は、⑤のうち一部(バーチャルオンリー株主総会の実現のための特例、債権譲渡における第三者対抗要件の特例、事業再生ADRから簡易再生手続への移行円滑化)について少しご説明いたします。

1 バーチャルオンリー株主総会の実現のための特例

現行会社法上では、株主総会を招集する場合には場所を定めなければならないことから、リアル株主総会を開催せず取締役や株主等がすべてインターネット等の手段を用いて出席するタイプの株主総会(バーチャルオンリー型株主総会)の実施は困難とされているところ、上場会社が経済大臣及び法務大臣による確認を受けた場合には、バーチャルオンリー型株主総会を実施できる特例を設けました。

2 債権譲渡における第三者対抗要件の特例

現行民法上、債権譲渡の債務者への通知等については「確定日付のある証書」でなければ第三者対抗要件を満たさないとされているところ、債権譲渡通知等が認定新事業活動実施者が認定新事業活動計画に従って提供する情報システム(一定の要件を満たすものに限る)を利用してされたときは、当該債権譲渡通知等によって第三者対抗要件を満たされているとする特例を設けました。

情報システムの一定の要件ですが、(1)債権譲渡通知等をした者及びこれを受けた者が当該債権譲渡通知等がされた日時及びその内容を容易に確認することができること、(2)債権譲渡通知等がされた日時及びその内容の記録を保存し、及びその改変を防止するために必要な措置として主務省令で定める措置が講じられていることになります。

3 事業再生ADRから簡易再生手続

(1)金融機関に事業再生ADRへの参加の努力義務を課し、(2)事業再生ADRで5分の3以上の債権者が再生計画に同意した場合にADRの第三者機関が再生計画における債権カットの必要性を確認したときは、事業再生ADRが不調に終わり簡易再生に移行しようとする際に、裁判所が当該再生計画の債権の減額について事業再生ADRで確認されている事実を考慮して簡易再生の開始決定の判断を行う規定を設けました。

なお、すでに一部施行されていますが、施行された内容等については、経済産業省のホームページ(「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律」の一部が施行されました (METI/経済産業省))を御確認頂ければと存じます。