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小規模企業振興基本法及び小規模支援法の成立

 平成26年6月20日、小規模企業振興基本法、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律(以下「小規模支援法」といいます。)が成立し、同月27日に公布されました。

 小規模企業振興基本法は、小規模企業の活力発揮の必要性が増大していることに鑑み、小企業者(第2条2号)及び小規模事業者(第2条1号)の事業の持続的な発展を図ること(第3条)、小企業者の円滑かつ着実な事業の運営を適切に支援すること(第4条)を目的に掲げるとともに、政府に対して、小規模企業の振興に関する基本方針及び施策の策定を義務付けています(第13条)。また、補助金の申請等、小規模事業者の手続負担についても、これまでに、小規模事業者がこれらの手続に要する人的・時間的な労力を割けずに利用を躊躇してきた事実に配慮し、国に対して、手続負担を簡易化・合理化すべき義務を課しています(第21条)。

 小規模支援法は、商工会・商工会議所による小規模事業者の経営支援の取り組みを強化するために、商工会・商工会議所による小規模事業者に対する支援計画を国が認定・公表することとし(第5条。同認定を受けた場合、販路開拓補助金が優先的に配分されることとされています。)、さらに、商工会・商工会議所が、地方公共団体・金融機関等と連携して小規模事業者支援を行うことを促進しています(第5条3項、第20条)。

 なお、平成25年度補正予算で決定された「小規模事業者持続化補助金」(小規模事業者を対象に、経営計画に基づいて実施する販路拡大等の取り組みに対し、100万円を上限とした補助金を支給する制度)も、同法の制定を見据えたものであり、既に一部の施策は実施されています。

 小企業者及び小規模事業者は、我が国の企業数の9割以上を占め、地域経済の担い手及び雇用の受け皿として極めて重要な役割を担っており、小規模企業振興基本法の目的にも掲げられている「小企業者及び小企業者の持続的発展」は、我が国の経済発展にも不可欠な課題です。今後、同法の目的に沿って実施される施策の動向が注目されます。

 詳細につきましては、下記中小企業庁HPをご参照ください。

http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/shokibo/2014/140627shokibo.htm

以上

《弁護士 石井 林太郎》