トピックス

【ニュース】新型コロナウイルス感染拡大に伴う下請事業者との取引における問題

今般、経済産業省が、新型コロナウイルス感染症により影響を受ける下請事業者との取引について、以下の配慮を行うよう各関係団体を通じて親事業者へ要請を出しました。

1  親事業者においては、今回の新型コロナウイルス感染症の発生に伴って、下請事業者に対し、①通常支払われる対価より低い対価による下請代金の設定、②適正なコスト負担を伴わない短納期発注や部品の調達業務の委託など、負担を押しつけることがないよう、十分に留意すること

2 親事業者においては、今回の新型コロナウイルス感染症により影響を受けた下請事業者が、事業活動を維持し、又は今後再開させる場合に、できる限り従来の取引関係を継続し、あるいは優先的に発注を行うよう配慮すること

現在感染が拡大している新型コロナウイルスについては、中華人民共和国からの輸入の支障等によるサプライチェーンへの影響が懸念されておりますが、これにより今後、下請事業者における生産・調達コストの上昇による単価引き上げ問題、風評や他の材料調達困難を理由とした親事業者による受領拒否・返品等の取引上の問題が発生する可能性があり、これらの対応にあたっては、独占禁止法及び下請法上問題とならないよう個別具体的事情に基づいた綿密な検討が必要となります。

新型コロナウイルス感染症による取引上の問題に対する独占禁止法及び下請法における考え方については、災害発生時の場合と基本的な考え方は同様として、東日本大震災時に公正取引委員会が公開したQ&Aが経済産業省からの要請書面に添付されておりますので、ご参照ください。

https://www.meti.go.jp/press/2019/02/20200214011/20200214011-1.pdf

当事務所では、これらの取引上の問題について、親事業者、下請事業者いずれからの相談にも幅広く対応しております。

お困りの際はいつでもご相談ください。

                             《弁護士 小山 航》