【ニュース】経済産業省における「公正なM&Aの在り方に関する研究会」設置について
経済産業省は、11月7日、「企業価値の向上及び公正な手続確保のための経営者による企業買収(MBO)に関する指針」の見直しの要否を含めて、我が国の公正なM&Aの在り方について検討を行うため、「公正なM&Aの在り方に関する研究会」を設置することを発表しました。
同研究会設置の背景としては、経済産業省は、平成19年9月4日にMBO(マネジメント・バイアウト)に関する公正なルールの在り方を提示するため、「企業価値の向上及び公正な手続確保のための経営者による企業買収(MBO)に関する指針」(以下「MBO指針」)を策定しましたが、それから既に10年が経過しました。その間、実務、裁判例や議論の蓄積が見られ、また、社外取締役の選任の増加をはじめとするコーポレートガバナンス改革の進展や株式保有構造の変化等、上場企業を取り巻く社会経済状況にも変化が生じてきた状況を踏まえて、MBO指針の見直しについて検討すべき時期であることが指摘されていました。
また、MBOに限らず、親会社が上場子会社を完全子会社化する場合をはじめとする支配株主による従属会社の買収等、MBO以外の利益相反構造のあるM&Aについても論点整理を行うべき必要性が指摘されていたことなどを踏まえ、MBO指針の見直しの要否を含めて、我が国の公正なM&Aの在り方について検討を行うため、同研究会を設置するに至ったとのことです。
本研究会は、MBO指針の見直しに限定せず、その他の類型による利益相反構造のあるM&Aについても検討対象としている点で、新たな分野に指針を提供するものと期待され、関心のあるところです。
同研究会の座長には、神田秀樹教授(学習院大法務研究科 教授)が就任され、11月9日を第1回目として毎月1回程度開催され、来春を目途に、研究結果が報告される見込みです。
今後の研究会の議事進行については、以下で確認できます。
http://www.meti.go.jp/press/2018/11/20181107004/20181107004.html
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《弁護士 福山 靖子》