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荒内智美弁護士「カリフォルニア州裁判所における民事陪審裁判の実務(第3回・第7回)」

弁護士荒内 智美

当事務所の荒内弁護士が執筆した「カリフォルニア州裁判所における民事陪審裁判の実務(第3回)」(NBL1251(2023.10.1)号)及び「カリフォルニア州裁判所における民事陪審裁判の実務(第7回)」(NBL1255(2023.12.1)号)が刊行されました。

2023年8月まで米国留学をしていた荒内弁護士が、研修先である現地法律事務所での経験に基づき、民事陪審裁判の実務を、同事務所のメンバーと共に連載形式で詳説しております。

「トライアル準備(争点整理・証拠整理)」と題する第3回連載では、事実審理(トライアル)開始直前期の手続進行を取り扱います。トライアル直前の進行協議期日(Pretrial Conference)を主軸に、法曹が行うトライアル準備について解説を行うものです。同時期に行う、提出予定証拠の排除を求める申立て(Motion in Limine)にも言及したユニークな文献です。

「トライアル(4)―証拠調べ等終了後」と題する第7回連載では、陪審に対する説示(Jury Instruction)・陪審による評議(Deliberation)・評決(Verdict)等、陪審制の根幹をなす制度を解説します。実務で使用される標準説示集(CACI(Judicial Council of California Civil Jury Instructionsの略))を引用し、説示例や評決の方式について具体的な説明を行うものです。

米国の民事訴訟は、裁判官による審理(Bench Trial)に付される場合や、和解により終了する場合も多く、日本の法曹が陪審裁判を経験できることは珍しいため、情報を共有すべく本寄稿に至ったものです。米国の訴訟と言えば、ディスカバリー制度が注目されがちですが、その後の主戦場であるトライアル(特に陪審裁判)について詳説した日本語文献として是非ご活用ください。

当事務所では、留学経験者が多数在籍しており、各種の国際取引案件を取り扱う体制が整っております。どうぞお気軽にご相談ください。