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「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」の改正

弁護士小山 航

フランチャイザーとフランチャイジーの取引においてどのような行為が独占禁止法上問題となるかについて、公正取引委員会が「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」(以下、「本ガイドライン」といいます。)を策定・公表しておりますが、昨今特にコンビニエンスストアについてフランチャイザーとフランチャイジーの在り方に見直しが求められていること等を受け、令和3年4月28日付けで本ガイドラインが改正されました。

改正にあたっては、公正取引委員会にて、国内所在の大手コンビニエンスストアチェーンの全てのフランチャイジーを対象とした初めての大規模実態調査を行い、これらの実態調査の結果明らかとなった、①募集時の予想収益等の説明が不十分である点、②指導員による無断の発注がなされている点、③時短営業の協議に応じない点、④周辺地域への出店時の配慮の内容が不明確である点、⑤手続きが煩雑等見切り販売についてシステム上の問題がある点について、本ガイドライン上に欺瞞的顧客誘引防止の観点から加盟募集時に開示することが望ましい事項が追加されるとともに、優越的地位の濫用の違反となり得る事例が追加されました。詳細は、下記公正取引委員会のWEBページをご参照ください。

(令和3年4月28日)「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」の改正について:公正取引委員会 (jftc.go.jp)

当事務所においても、これまでフランチャイザー・フランチャイジー間の取引に関するご相談や、フランチャイザーのM&A等において、本ガイドラインの遵守が問題となった場面は多く、本ガイドラインはコンビニエンスストアのみならず全てのフランチャイズ・システムのコンプライアンスにおいて非常に重要な位置を占めております。今回の本ガイドライン改正を受けて、上記実態調査の結果明らかとなった各問題行為の未然防止が十分かについては、今後フランチャイズ・システムのコンプライアンス検討のうえで十分に注意を払う必要があります。

当事務所はフランチャイザー、フランチャイジーの企業の皆様のいずれからのご相談も承っております。お困りの際はいつでもご相談ください。

《弁護士 小山 航》