【ニュース】営業秘密管理指針の全部改訂
平成27年1月28日、営業秘密管理指針が全面的に改訂されました。
この営業秘密管理指針は、経済産業省が、不正競争防止法を所管し、通商協定を所掌する行政の立場から、企業実務において課題となってきた営業秘密の定義等について、イノベーションの推進、海外の同行や国内外の裁判例等をふまえて一つの考え方を示しているもので、平成15年に策定され、これまで4回の改訂を経ています。
前回の改訂については既報のとおりですが(平成25(2013)年10月18日トピックス http://spring-partners.sakura.ne.jp/topic/409.html )、今回の全面的改訂では、指針が「営業秘密」の法解釈を明確化するものとして特化され、不正競争防止法において法的保護を受けるために必要となる最低限の水準の対策が示されることとなりました。
新指針は、不正競争防止法第2条第6項の「秘密として管理されている」という要件が満たされるためには、「当該情報に合法的に、かつ、現実に接することができる従業員が」(新指針5頁)、「営業秘密である情報を含む(一般情報と混在することもありうる。)のか、一般情報のみで構成されるものであるのか否か」(新指針6頁)を判別できるように合理的に区分されていること、また、上記従業員において「当該情報が秘密であって、一般情報とは取り扱いが異なるべきという規範意識が生じる程度の取組」(新指針7頁)がなされていることが必要であるとしています。
なお、新指針では、紙媒体の場合、電子媒体の場合、物件に営業秘密が化体している場合、媒体が利用されない場合、複数の媒体で同一の営業秘密を管理する場合等に分けて、具体的に、秘密であるという意識が生じる程度の取組を例示しています。
情報資産を有しているもののこれまで営業秘密管理を重視してこなかった企業は、これを機に、自社が新指針が例示している程度の取組を行っているか否かをチェックする必要があると思われます。