会社法の一部を改正する法律案の可決
会社法の一部を改正する法律案が平成26年6月20日に可決・成立し、同月27日に公布されました。この改正においては、社外取締役等による株式会社の経営に対する監査等の強化並びに株式会社及びその属する企業集団の運営の一層の適正化等を図ることを目的とし、いくつかの新しい制度が創設されました。主な創設制度や改正事項は以下のとおりですが、詳細は、法務省のホームページ(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00151.html)にてご確認ください。
1. 企業統治のあり方について
(1)取締役会の機能強化
① 監査等委員会設置会社制度の創設(第399条の2~第399条の14)
② 社外取締役及び社外監査役に関する規律(第2条15号・16号)
(ⅰ)社外取締役・社外監査役の要件における親会社等の関係者等の取扱いの変更
(ⅱ)社外取締役・社外監査役の要件に係る対象期間の限定
(ⅲ)社外取締役を置くことが相当でない理由の開示(第327条の2)
(ⅲ)取締役及び監査役の責任の一部免除(第425条~第427条)
(2)資金調達の場面における企業統治のあり方について
① 支配株主の異動を伴う募集株式の発行等
(ⅰ)公開会社における募集株式の割当て等の特則(第206条の2)
(ⅱ)公開会社における募集新株予約権の割当て等の特則(第244条の2)
② 仮装払込みによる募集株式の発行等(第213条の2~3、第209条2項・3項)
2.親子会社に関する規律
(1)親会社株主の保護
① 多重代表訴訟(第847条の3)
② 株式会社が株式交換等をした場合における株主代表訴訟(第847条の2)
③ 親会社による子会社の株式等の譲渡(第467条1項2号の2)
(2)キャッシュ・アウト
① 特別支配株主の株式等売渡請求(第179条~179条の10)
② 全部取得条項付種類株式の取得(第171条の2~173の2)
③ 株式の併合により端株となる株式の買取請求(第182条の4~6)
(3)組織再編における株式買取請求等
① 買取口座の創設(社債、株式等の振替に関する法律第155条1項)
② 株式等の買取りの効果が生じる時(第117条6項、470条6項、786条6項、798条6項、807条6項)
③ 株式買取請求に係る株式等に係る価格決定前の支払制度(第117条5項、172条5項、179条の8第3項、182条の5第5項、470条5項、786条5項、798条5項、807条5項)
④ 簡易組織再編、略式組織再編等における株式買取請求
(4)組織再編等の差止請求(第784条の2、796条の2、第805条の2)
(5)会社分割等における債権者の保護(第759条~第766条)
① 詐害的な会社分割等における債権者の保護
② 分割会社に知れていない債権者の保護
3.その他
(1)募集株式が譲渡制限株式である場合等の総数引受契約(第205条)
(2)株主名簿等の閲覧等請求の拒絶事由(第125条)
(3)その他
以上