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【ニュース】ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド

 2020年2月26日、経済産業省は「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」(以下「本ガイド」といいます。)を策定し、公表しました。

 現在、日本政府は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため多人数参加のイベントの中止等の自粛要請をしているところですが、今後株主総会を予定している各企業においても、「ハイブリッド型バーチャル株主総会」の実施の検討をしているとの話が聞かれます。

 「ハイブリッド型バーチャル株主総会」とは、取締役や株主等が一堂に会する物理的な場所での株主総会(リアル株主総会)を開催する一方で、リアル株主総会の場に在所しない株主がインターネット等の手段を用いて遠隔地から参加/出席することができる株主総会をいいます。

 リアル株主総会を開催せず取締役や株主等がすべてインターネット等の手段を用いて出席するタイプの株主総会(バーチャルオンリー型株主総会)は、現行の会社法下においては解釈上難しい面があるとの見解がありますが、「ハイブリッド型バーチャル株主総会」の形での開催は、可能であると考えられます。

 本ガイドでは、「ハイブリッド型バーチャル株主総会」を、①遠隔地等リアル株主総会の場に在所しない株主が会社から通知された固有のIDやパスワードによる株主確認を経て特設されたWEBサイト等で配信される中継動画を傍聴するような形態(ハイブリッド参加型バーチャル株主総会)と、②遠隔地等リアル株主総会の場に在所しない株主がインターネット等の手段を用いて株主総会に出席しリアル出席株主とともに審議に参加したうえ株主総会における決議にも加わるような形態(ハイブリッド出席型バーチャル株主総会)に分け、それぞれの運営上の論点について述べています。詳しくは、以下リンクをご確認ください。

 日本においては6月に定時株主総会を開催する企業が多いですが、「ハイブリッド型バーチャル株主総会」を実施するのであれば、今すぐにでも本ガイドを確認しつつ検討・準備を開始する必要があると思われます。

参考HP:経済産業省「『ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド』を策定しました」

https://www.meti.go.jp/press/2019/02/20200226001/20200226001.html

《弁護士 髙橋 祥子》