【ニュース】新しいタイプの商標の保護制度について
「特許法等の一部を改正する法律」(平成26年5月14日法律第36号)により商標法が改正され、本年4月1日より、これまで商標として登録し保護することのできなかった新しいタイプの商標について登録をすることができるようになりました。
新たに登録をすることができるようになった新しいタイプの商標は、以下の5つです。
① 動き商標:
文字や図形等が時間の経過に伴って変化する商標(例えば、テレビやPC画面上に映し出される変化する文字や図形など)
② ホログラム商標:
文字や図形等がホログラフィーその他の方法により変化する商標(例えば、見る角度によって変化して見える文字や図形など)
③ 色彩のみからなる商標:
単色又は複数の色彩の組合せのみからなる商標(例えば、商品の包装紙や広告用の看板に使用される色彩など)
④ 音商標:音楽、音声、自然音等からなる商標であり、聴覚で認識される商標(例えば、CMなどに使われるサウンドロゴやPCの起動音など)
⑤ 位置商標:文字や図形等の標章を商品等に付す位置が特定される商標
以上の改正に対応するため、特許庁では、商標審査基準(改訂第11版)を作成し、新しいタイプの商標について、自他商品・役務の識別力に関する審査、商標の類否に関する審査等の概要を示しています。
https://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/11th_kaitei_h27.htm
また、本年3月23日より、新しいタイプの商標の検索等に対応した、新たな特許情報提供サービス「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」の提供が開始されています(これに伴い、従前の特許電子図書館(IPDL)のサービスは終了しています。)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage#
出願者側でも、早速、「正露丸」で有名な大幸薬品株式会社が、本年4月1日に正露丸のCMで使用している「ラッパのメロディ」のサウンドロゴについて音商標として登録出願したことを発表するなど、新しいタイプの商標登録出願が続々と行われている状況であると思われます。
上記改正法では、施行日前から使用している新しいタイプの商標について、商標登録をしなくても、従来の業務範囲内で使用し続けることができる旨の継続的使用権(但し位置商標については除く。)等、留意すべき事項も含まれていますので、改正内容について未確認の方は、一度、改正内容につきご確認いただくことをおすすめします。
詳細は、以下の特許庁HP等をご覧下さい。
https://www.jpo.go.jp/seido/s_shouhyou/new_shouhyou.htm
以上