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事業者の熱中症対策に関する法令改正(2025年6月1日施行)

弁護士中野 丈

労働安全衛生規則を改正する省令が令和7年4月15日に公布され、事業者に対して熱中症対策を講じる義務を定める条項が、追加されることとなりました。

その施行は2025年6月1日と予定されています。

https://www.kanpo.go.jp/20250415/20250415h01445/20250415h014450002f.html

この改正により、暑熱な場所において連続して行われる作業等熱中症を生ずるおそれのある作業を行う事業者には、健康障害防止のため、「体制整備」、「手順作成」、「関係者への周知」を行うことが義務付けられます。

厚生労働省の資料によれば、「WBGT28度以上または気温31度以上の環境下で連続1時間以上または1日4時間を超えて実施」が見込まれる作業が対象となり、熱中症のおそれのある者に対する処置の例も示されています。

https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf

もともと、労働安全衛生法は、事業者は高温による健康障害を防止するための措置を講じなければならないとしており(同法22条2号)、これに違反した場合に6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処するともしています(同法119条1号)。

また、その講ずべき措置の内容は、厚生労働省令が定めるとされており(同法27条1項)、今回の改正で条文が追加された労働安全衛生規則がその省令にあたるため、違反すると、上記の罰則が適用され得ることになります。

以上