トピックス

パーソナルデータの利活用に関する制度見直しについて(2)

平成26107日、内閣に設けられた高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(通称:IT総合戦略本部)は、「パーソナルデータの利活用に関する制度改正大綱」に関するパブリックコメントの結果を発表しました(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/pd/pdf/h261007.pdf)。

当ホームページのトピックスでも、以前、IT総合戦略本部の立ち上げといわゆるビッグデータの取り扱いを巡る法改正に向けた始動について取り上げましたが(http://spring-partners.sakura.ne.jp/topic/438.html)、その後、IT総合戦略本部は、平成26624日に、「パーソナルデータの利活用に関する制度改正大綱」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/info/h260625_siryou2.pdf)を発表し、同大綱に対し、本年625日から724日までパブリックコメントが募集されていたところ、今回の結果発表となりました。

そこで、この機会に改めて大綱の概要に触れてみたいと思いますが、大綱では、制度改正内容の基本的な枠組みとして、①本人の同意がなくてもデータの利活用を可能とする枠組みの導入等、②基本的な制度の枠組みとこれを補完する民間の自主的な取組の活用、③第三者機関の体制整備等による実効性ある制度執行の確保を掲げています。さらに、①に関しては、「個人データ」を特定の個人が識別される可能性を低減したデータに加工したものについて、本人の同意を得ずに利用できるための取扱条件を定めるなど、情報を円滑に利活用するために必要な措置を講じると述べられています。

 もともと本改正に向けた動きは、個人の権利保護に留意しつつも、個人情報の利用に関するグレーゾーンのために事業者が利用価値のあるパーソナルデータの利活用を躊躇してしまう状況を取り除くことを目指すものですが、実際、弁護士として日々のご相談を受ける中でそのような問題に触れる機会も多いため、今後の改正法案の内容が大変注目されます。

今後のスケジュールとしては、平成27年の通常国会で個人情報保護法改正案の提出を目指すとのことです。