電子書籍に対応した出版権の整備を目的とする著作権法の改正について
電子書籍に対応した出版権の整備等を目的とする「著作権法の一部を改正する法律」(平成26年法律第35号)が平成26年4月25日に成立し、同年5月14日に公布されました。
近年、電子書籍をインターネット送信する形式で販売するなどの電子出版が増加傾向にありますが、電子出版が出版権に含まれるかについては、著作権法第79条第1項が「第二十一条に規定する権利を有する者(以下この章において「複製権者」という。)は、その著作物を文書又は図画として出版することを引き受ける者に対し、出版権を設定することができる。」と定め、同法第80条第1項が「出版権者は、設定行為で定めるところにより、頒布の目的をもって、その出版権の目的である著作物を原作のまま印刷その他の機械的又は化学的方法により文書又は図画として複製する権利を専有する。」と定めていることから、CD-ROM等による出版が「文書又は図画」として複製すると言えるのか、また、電子書籍をインターネット送信する形式での電子出版について、出版権者の権利として公衆送信権を定めていない現行の著作権法の規定では対応しきれないのではないか等の問題がありました。
そこで、「著作権法の一部を改正する法律」(平成26年法律第35号)において、「文書又は図画として出版すること」に「電子計算機を用いてその映像面に文書又は図画として表示されるようにする方式により記録媒体に記録し、当該記録媒体に記録された複製物により頒布すること」が含まれる旨定め(改正後の第79項第1項など)、出版者が専有する権利に公衆送信を行う権利も含まれ得ることを定める(改正後の第80条第1項)など、電子書籍に対応した出版権の諸規定を整備しました。
なお、この「著作権法の一部を改正する法律」(平成26年法律第35号)は、平成27年1月1日から施行することとされました。
詳しくは、文化庁HPをご参照下さい。