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~国会審議中の会社法改正案について~

平成25年11月に国会に提出された会社法の改正案が、平成26年1月24日から開催されている通常国会で成立する見込みです。改正案は、社外取締役等による株式会社の経営に対する監査等の強化、並びに株式会社及びその属する企業集団の運営の一層の適正化等を図るため、監査等委員会設置会社制度を創設し、社外取締役等の要件等を改めるほか、株式会社の完全親会社の株主による代表訴訟の制度(多重代表訴訟)の創設、株主による組織再編等の差止請求制度の拡充等の措置を講じようとするものです(なお、法律案要綱の詳細については、法務省のウェブサイト(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00138.html)をご参照下さい)。機関設計の新たなメニューである「監査等委員会設置会社」は、監査役会設置会社と委員会設置会社の中間的なものと言われています。注目されていた社外取締役の設置の義務化は見送られましたが(なお、改正法を施行して2年後に義務化を再検討するとの方向性も示されています。)、改正法案は、取締役に対して定時株主総会における社外取締役を置くことが相当でない理由の説明義務を規定しています。即ち、事業年度の末日において監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって、金融商品取引法第24条第1項の規定により、その発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない会社が社外取締役を置かない場合には、取締役は、当該事業年度に関する定時株主総会において、社外取締役を置くことが相当でない理由を説明しなければならないとしています。また、社外取締役等の要件の厳格化は、会社にとって適切な候補者を探す必要を生じさせ、さらに、多重代表訴訟については、該当する中小・中堅企業において親族間の争いが多重代表訴訟の形で顕在化する可能性があるとの指摘もあり、今回の会社法改正が実務に与える影響は大きく、改正案の概要を把握し、対応策を講じておくことが望まれます。