「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律」のご紹介
国際結婚を巡る問題が増加しつつある今日の社会的背景を受け、ハーグ条約の一部である国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(以下、「条約」といいます。)への締結に向けた動きとして、平成25年6月12日、「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案」(以下、「関連法」といいます。)が、参議院で可決され、成立しました。関連法は、同年6月19日に公布され、今後、条約が日本国について効力を生ずる日から施行されることになります。
条約では、監護権の侵害を伴う16歳未満の子の国境を越えた移動の場合、子の監護権(親権)は、子がそれまで在住していた国で決定することが望ましいとの観点から、原則として、子をそれまで在住していた国に戻すことができると定めています。
(ハーグ条約の概要 外務省Web http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html)
関連法では、不法な連れ去り又は不法な留置がされた場合に子の返還及び子との面会交流に関する援助を行う中央当局を外務大臣と定めるほか、子の返還事由及び返還拒否事由のそれぞれについて条約に則した要件を定めています。また、子の返還申立事件の管轄裁判所を東京家庭裁判所及び大阪家庭裁判所に集中し、非公開で審理を行うこととしています。
(関係法http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/183/pdf/t031830291830.pdf)
なお、関連法は、施行前にされた不法な連れ去り又は関連法の施行前に開始された不法な留置には適用されないとされています。