令和7年8月20日以降、衣類等の繊維製品の洗濯表示が新しく変わります
繊維製品等の品質についての表示事項及び表示方法を定めた繊維製品品質表示規程(令和6年8月20日改正)について、令和7年8月19日に経過措置期間が終了し、同月20日以降、衣類等の繊維製品について表示すべき洗濯表示の内容が変更となります。
1 衣類等の繊維製品の洗濯表示に係るルールの概観
家庭用品品質表示法では、家庭用品の品質に関する表示の適正化を図り、一般消費者の利益を保護するという目的から、衣類等の繊維製品をはじめとする家庭用用品の品質について事業者が表示すべき事項及び表示の方法を定めています。衣類等の繊維製品の具体的な表示事項及び表示方法は同法に基づく繊維製品品質表示規程において定められています。
具体的な内容としては、繊維製品について洗濯、乾燥、漂白、アイロンやクリーニング等の可否及びその方法について、記号を用いて表現されています。
表示規制の対象事業者は、対象製品の製造業者、販売業者、又はこれらから表示の委託を受けて行う表示業者であり(法2条2項)、海外の販売業者から輸入し日本国内で販売する場合にも、適用があります。
2 改正の概要
令和5年12月、繊維製品の取扱い表示に関する国際規格(ISO 3758)が改正され、これに伴い、繊維製品の取扱い表示に関する日本産業規格(JIS L0001)も改正されました。衣類等の洗濯表示について具体的に定めた繊維製品品質表示規程は、このJISを引用しているため、同規程も改正されました。
改正内容としては、洗濯記号の新規追加、従来の洗濯記号の意味の変更や洗濯記号のデザインの微調整が行われました。
改正規程は、令和6年8月20日に施行されましたが、洗濯表示の円滑な移行のため、令和7年8月19日までに旧規程に基づく表示を付した衣類等の繊維製品については、そのままの表示で販売することができるという経過措置期間が設けられました。
同月20日以降、繊維製品に表示を付す場合には、新規程に基づく洗濯表示を付すことが義務付けられますので、対象繊維製品の販売等を行う事業者は注意が必要です。
なお、経過措置期間終了後に、小売店の店頭にある流通在庫については、旧取扱記号の表示のままでの販売が可能です。
3 事業者の対応
家庭用品品質表示法上は、不適切表示について直接の罰則は規定されていませんが、不適切な表示を行った場合、消費者庁から立入検査(19条)や適正表示を行うよう指示(4条1項)を受けることがあります。また、その指示に従わない場合には、事業者の名称及び違反事実の公表(4条3項)、さらには、表示命令(5条)や当該表示に係る商品の販売禁止命令(6条)がなされる場合もあります。特に、事業者の名称及び違反事実が公表された場合には、レピュテーションを著しく毀損することになります。
事業者としては、自社の製造・販売等をする対象繊維製品について、新表示に対応しているかどうかを確認するなど日頃から適正な表示ルールを正しく理解し、これを遵守することが重要です。
その他詳細な洗濯表示に関するルールについては下記消費者庁のWEBページをご参照ください。
以上
≪弁護士 江口 聡≫