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新たな宿泊拒否事由等に関して旅館業法の改正法案が提案されました

弁護士上鍋大貴

現在行われている秋の臨時国会で、先月7日、旅館・ホテルが宿泊客に対して新型コロナウイルス感染症等の感染防止対策への協力を求めることができることとし、さらにこれに正当な理由なく応じない場合等には宿泊を拒むことができることとする旨の、旅館業法等の改正案が提案されております。同法案は、現在衆議院で審議中です。

1.現行の旅館業法の定め

現在施行されている旅館業法は、旅館・ホテル側が宿泊を希望する客に対し宿泊を拒むことについて、

  第5条 営業者は、左の各号の一に該当する場合を除いては、宿泊を拒んではならない。

  一 宿泊しようとする者が伝染性の疾病にかかつていると明らかに認められるとき

  二 宿泊しようとする者がとばく、その他の違法行為又は風紀を乱す行為をする虞があると認められるとき。

  三 宿泊施設に余裕がないときその他都道府県が条例で定める事由があるとき。

として、原則拒むことができないものと定めています。

 このうち、新型コロナウイルス感染症に関連する第1号について、検温を拒む宿泊客や発熱等の症状があるだけの宿泊客の場合、「伝染性の疾病にかかつていることが明らか」であるとはいえず、(第2号に該当する場合を除き)宿泊を拒むための法的根拠がないことが、旅館・ホテル団体よりしばらく問題とされていました。

2.提案されている法案の内容

それを踏まえて今回提案されている法案の主な内容は、以下のとおりです。

① 新型コロナウイルス感染症を含む「特定感染症」という言葉を新たに定義し、「特定感染症の患者等であるとき」に拒むことができるものとして、拒否の要件が明確化されています。

② 特定感染症が国内で発生している間、特定感染症の患者に対してはみだりに客室等から出ないことなどの協力を、特定感染症の症状がある宿泊客に対しては医師の診断結果等を確認するために必要な協力を求めることができます。

③ ②以外の宿泊客に対しても、検温等の感染症防止対策への協力を求めることができます。

④ ②や③の協力の求めに対して正当な理由なく応じない宿泊客については、宿泊を拒否することが可能となります。

詳細につきましては、厚生労働省のホームページをご覧ください(※)。

当事務所では、ホテル業界を含め、新型コロナウイルス感染症による影響に関するその他の相談にも対応可能ですので、どうぞお気軽にご相談ください。