【ニュース】欧州eプライバシー規則案の否決
報道によれば、採択を目指されていた欧州のeプライバシー規則案は、Permanent Representatives Committee of the Council of the European Union (COREPER)(EU理事会の議題を決める権限を持つとされる)により否決されました。
海外の報道記事
https://edri.org/eprivacy-eu-member-states-push-crucial-reform-on-privacy-norms-close-to-a-dead-end/
eプライバシー規則案は、2017年1月に欧州委員会が最初の案を公表し、元々は2018年5月のGDPR適用開始までに採択することが目指されていたものの、これまでに複数回にわたり欧州理事会から修正案が発表され、成立には至らない状況が続いていました。eプライバシー規則は、電子通信サービス分野におけるプライバシーおよび個人データの処理を規律する「eプライバシー指令」(同規律は各EU加盟国において直接適用されず、各国が国内法化する必要があります)を「規則」に引き上げ、加盟国間の制度・運用の不統一の解消を図り、執行を強化することを目指すものでありましたが、上記の通り、2019年11月22日に規則案は否決されたようです。
eプライバシー規則は、電子通信データの処理、Cookie、ダイレクトマーケティングなどを規律するため、多くのオンライン事業者に影響があるとして注目されていましたが、最新の規則案も否決された形となりました。
参考:総務省プラットフォームサービスに関する研究会資料「EU電子通信プライバシー規則案と関連する法政策の状況」
http://www.soumu.go.jp/main_content/000579806.pdf
もっとも、その後の報道では、欧州委員会は6ヶ月以内に新たなeプライバシー規則案を提出する意向とのことですので、今後も引き続き注意が必要です。
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《弁護士 伊藤誠吾》