【ニュース】株主総会における質問状況等の動向
全国証券取引所上場会社(新興市場を除く)のうち平成29年7月~平成30年6月の間に定時株主総会を開催した国内会社2,653社を対象とし、うち1,727社から得られた回答をもとにまとめられたデータ(公益社団法人商事法務研究会編「株主総会白書2018年版」。以下「株主総会白書」といいます。)によれば、定時株主総会において議案等に対して質問等(異議なし、賛成等の単純な発言を除く)をした株主数は、次のとおりです(全体:1,727社)。
0人:367社(21.3%)、1人:243社(14.1%)、2人:212社(12.3%)、3人:154社(8.9%)、4人:126社(7.3%)、5人:122社(7.1%)、6人:98社(5.7%)、7人:67社(3.9%)、8人:59社(3.4%)、9人:74社(4.3%)、10人:46社(2.7%)、11人以上:152社(8.8%)、回答なし:7社(0.4%)。
別の調査回答によれば出席者数の増加傾向はいよいよ止まったと見られる中にありながら、質問等をする熱心な株主数は減少していないようです。
また、株主総会白書によれば、最も多かった質問は(複数回答形式による。回答した会社数1708社)、「経営政策・営業政策」(1,051社)、次いで「配当政策・株主還元」(503社)、「財務状況」(333社)、「リストラ・人事・労務」(318社)、「株価動向」(294社)、「子会社・関連会社関係」(253社)、「内部統制状況・リスク管理体制」(177社)、「クレーム・事件・事故」(164社)、「役員の構成関係」(160社)、「株主総会の運営方法」(157社)と続きます。うち、増加傾向があるものは、「株価動向」、「内部統制状況・リスク管理体制」、「役員の構成関係」、「株主総会の運営方法等」です。
その他、質問を受けたと100社以上が回答したものに「社外役員・独立役員関係」、「役員報酬・賞与」、「役員の指名関係」、「環境問題・社会貢献」があります。
なお、同白書によれば、株主総会における法律顧問(弁護士、公認会計士)の出席状況・席の位置は、次のとおりです(全体数1,727社)。
入場して議長側(事務局側)席:1,483社(85.9%)、入場して株主側席:16社(0.9%)
入場して議場内の別席:19社(1.1%)、入場せずに別室にて待機:21社(1.2%)、来場せず:182社(10.5%)、回答なし:6社(0.3%)。
今後の動向にも注目したいと思います。
以上
≪弁護士 中野 丈≫