「不正競争防止法等の一部を改正する法律案」が平成30年5月23日に可決・成立し、5月30日に公布されています。改正の概要は以下のとおりです。

①　データの不正取得等に対する救済措置の創設

　ID・パスワードなどの技術的な管理を施して提供されるデータ（限定提供データ）を不正に取得・使用等する行為を、新たに『不正競争行為』と位置付け、これに対する差止請求権等の民事措置が創設されました。

②　暗号等のプロテクト技術の効果を妨げる行為に対する規制の強化

　暗号等の技術的制限手段の効果を妨げる「プロテクト破り」を可能とする機器の提供等だけでなく、役務の提供等も不正競争行為に追加されました。

　今日、IoTやAIなどの情報技術の革新により、 企業の競争力の源泉は、データやその分析方法、これらを活用した製品やビジネスモデルへ移り変わりつつありますが、今回の改正は、事業者が新たな事業創出又はサービスの付加価値の向上のために複数の企業間でデータ等を提供・共有する際に、安心してデータの利活用を行えるよう環境を整備することを目的とするものです。

　詳細は経産省のホームページをご覧下さい。

http://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/kaisei_archive.html#h30　

以上

《弁護士　石井　林太郎》