他者に何らかの請求をしたい場合(訴訟を提起したい場合を含む)

1. はじめに

会社や個人事業主として事業活動を継続していく中で、あるいは消費者の立場として、取引先が想定していた対応をとってくれなかったり、第三者の行為から思わぬ損害を被ったなど、予想を超えた大小様々なトラブルに見舞われることも決して少なくありません。

例えば

  • 製品を納入したのに支払期日になっても代金を支払ってくれない。
  • 取引先から購入した製品に欠陥があった。
  • 不動産を購入したが、相手方が物件の引渡しや登記手続書類を交付してくれない。
  • 所有建物のテナントが賃料を数か月滞納している。
  • 所有車両が交通事故に巻き込まれ破損した。

といったトラブルに遭遇したことはないでしょうか。

このようなトラブルに遭遇したときには、契約や法律に基づいて、相手方に金銭の支払等を請求していくことになるでしょう。このときこそ、当事務所の弁護士がお役に立てるときです。以下では、トラブルが発生したときに当事務所にご相談いただく際の一般的な流れを説明します。

2. 相談準備

まずは、当事務所に電話、電子メール等でご連絡ください。ご連絡をいただきましたら、担当の弁護士がすみやかに折り返しの連絡をしますので、その際に担当弁護士に事案の概要等をお伝えください。担当弁護士からは法律相談料の体系の概要や法律相談のお打合せ日程候補日、持参してほしい資料等の説明がありますので、同弁護士と具体的なお打合せの日程を決めてください。

相談実施までの間においては、お手持ちの契約書、相手方とのやり取りを記録したもの(電子メールのプリントアウトしたものや録音等)、その他事案と関連しそうな書類等を、相談日に持参できるようご準備ください。一見重要でなさそうなものであっても、担当弁護士が事案の把握のために必要となりそうな資料はできるだけ広く準備して当日お持ちください。

3. 法律相談の実施

(1)法律関係の把握

担当弁護士においては、まずは、相手方に対して、どのような法律上の根拠に基づいて請求を行うべきかを検討します。このとき重要になるのが、契約関係の有無とその内容です。相手方と契約関係が全く無かったという場合を除いて、最も重要な資料は契約書(合意されたことを示す一連の書面やメール等を含みます)になります。まずは契約書とその関連資料を拝見し、問題となっている事案に適用される契約条項を把握することが第一歩となります。

そのうえで、相手方との取引の背景、相手方とのトラブルが発生した経緯や相手方との交渉経緯等をお聴きし、想定される相手方の反論などを把握します。

(2)手続の選択

相手方との事実関係と法律関係が把握できましたら、どのような方法で相手方に対して請求をしていくかを検討します。このとき当該事案に対する相手方の態度(話し合いに応じる見込みの有無)、どの程度の経営資源(費用と時間)を紛争解決に向けて投入できるのか等を考慮することになります。主な請求方法は次のとおりです。

裁判外交渉
裁判手続によらず、相手方との間で直接交渉を行います。

ADR
特定の業界によっては代替的紛争解決手続(ADR)機関が運営されている場合がありますので、その方法を選択して合意等により解決を目指す方法があります。

民事調停
裁判所において当事者双方が話合いを行います。調停委員が間に入って話合いを整理しつつ、当事者間の合意形成を目指します。

民事訴訟
当事者双方で証拠を提出し、裁判所が事実を認定したうえで、判決をもって紛争を解決する手続です。

なお、請求をしたとしても回収の見込みが全くない等、回収結果と回収コストが見合わない等の事情があれば、敢えて請求をしない旨のアドバイスをすることもあります。

(3)業務委託契約(委任契約)について

選択すべき手続方法が決定しましたら、弁護士を代理人に選任するのか、代理人として選任する場合には弁護士費用その他の業務委託(委任)契約の条件をどうするかについて説明し提案いたします。

弁護士費用については、相手方から得られる見込みの経済的利益から算定する方式(着手金・報酬金)や作業時間に応じて算定する方式(タイムチャージ)等があります。事案に応じて合理的な業務委託契約(委任契約)の条件を協議により決めることができますので、具体的には担当弁護士にお尋ねください。