住所等変更登記の義務化について
改正不動産登記法が令和8年4月1日から施行されます。
本改正は、近年問題となっている「所有者不明土地問題」への対処のため、氏名若しくは名称又は住所(以下「住所等」といいます。)に変更が生じた際に、一定期間内に変更登記を行うことを義務付けるものです。
改正の概要は以下のとおりです。
1 住所等変更登記の義務について
不動産の所有者(所有権の登記名義人)は、住所等について変更があったときは、その変更日から2年以内に変更の登記の申請をすることが義務付けられます(不動産登記法第76条の5)。
例えば、以下のような場合に、以下のような住所等変更登記を行う必要があります。
【個人(自然人)の場合】
①転勤による引っ越しなどで住所が変わった場合
→不動産登記簿に記載されている住所を変更する登記
②結婚などで氏名が変わった場合
→不動産登記簿に記載されている氏名を変更する登記
【法人の場合】
①本店を移転した場合
→不動産登記簿に記載されている住所(本店の所在地)を変更する登記
②社名を変更した場合
→不動産登記簿に記載されている名称(社名)を変更する登記
なお、「スマート変更登記」の手続きを利用すれば、住所等の変更があった場合、法務局において住所等の変更の事実を確認の上、職権で変更登記を行うことが可能になります。
詳細は以下をご確認ください。
2 ペナルティについて
正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、5万円以下の過料の適用対象となります(同法第164条第2項)。
なお、「正当な理由」については以下のようなものが該当すると考えられています。
①検索用情報の申出又は会社法人等番号の登記(上記「スマート変更登記」の利用手続き)がされているが、登記官の職権による住所等変更登記の手続がされていない場合
②行政区画の変更等により所有権の登記名義人の住所に変更があった場合
③住所等変更登記の義務を負う者自身に重病等の事情がある場合
④住所等変更登記の義務を負う者がDV被害者等であり、その生命・身体に危害が及ぶおそれがある状態にあって避難を余儀なくされている場合
⑤住所等変更登記の義務を負う者が経済的に困窮しているために登記に要する費用を負担する能力がない場合
3 施行日前の住所等の変更について
上記のとおり、住所等変更登記の義務化の施行日は令和8年4月1日ですが、それよりも前に住所等を変更した場合であっても、変更登記をしていない場合には義務化の対象となり、令和10年3月31日までに変更登記を行う必要があります(民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)附則第5条第7項)。
その他、本改正に関する詳細については、法務省の以下のページをご確認ください。
当事務所では、上記登記に関する問題のほか、広く不動産に関するご相談を承っております。
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≪弁護士 山口 源樹≫
